2024-04

読書

汗牛足vol.7 二十歳のころ

立花隆(ジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家)の東大ゼミからできた本です。ゼミは、テーマを決めてそれについて調べて、まとめたものを本にしようというシンプルなものだったそうですが、何をテーマにするかで一悶着あって、結局学生の誰もが関われる「二十歳のころ」に落ち着いたそうです。そうしてできたこの本には取材に基づいた70人もの回顧談その他若者へのメッセージが詰まっています。
読書

汗牛足vol.6 教養小説のすすめ

教養小説とは何でしょうか。読んだら教養が身につく小説でしょうか、いえいえそうではないんです。ネット上のレヴューなどを眺めていると残念なことに教養小説は読めば教養が身につく小説のことだと、なんともまあご都合のいい解釈をしている人が多くいます。もっとも誤解も無理のないことで、じつはドイツ語で言う“Bildungsroman”の訳語なんですが、訳が悪すぎるんです。いっそのこと「ビルディングスロマン」とダサいカタカナにした方がよかったと思うのですが、あえて訳すなら「(自己)形成小説」とでもするべきでした。
読書

汗牛足vol.5 科学リテラシー入門

お久しぶりです。前々回に『科学哲学への招待』という本を紹介しましたが、それからそれに関連するような本をいくつか読んだので、今回はその中から3冊を選んで紹介します。戸田山和久『「科学的思考」のレッスン』日本「市民」に対して、科学リテラシーやクリティカル・シンキングを身につけてもらおうという啓蒙への意気込みが感じられる好著だと思います。
読書

汗牛足vol.4 考える/思考するための三冊

前回紹介した『知的トレーニングの技術』の原則1、「考える時間を大切にする」に則って、「考える」「思考する」といったキーワードに関連する3冊を紹介します。刈谷剛彦『知的複眼思考法』本屋で平積みになってるよく売れてる本です。よく売れているといっても(一時的な)ベストセラーではなくロングセラーで、なるほどこれはたしかにいい本だなあと思います。
読書

汗牛足vol.3 知的振幅を拡張するためのイントロ

前回までに「読書」をテーマとして計6冊の本を紹介しました。そして、今回は違うテーマでいこう、と思っていたのですが、テーマを決めるのがどうも不自由なので、今回はとくに決めずに3冊紹介します。でもまあ強いて言うなれば、「知的振幅を拡張するためのイントロ」といったところでしょうか。つべこべ言わずに本題に入ります。
読書

汗牛足vol.2 僕の読書に役立っている三冊、その2

前回は「読書」をテーマとして僕の高校時代に役立ったと感じる3冊を紹介しました。そして今回のテーマは、というと、残念ながら(?)前回と同じです。(できれば変えたかったのですが……次回は必ず変えます。)ただ、紹介する3冊の中でとりわけ前半の2冊はかなりの良書だと思っています。この春に読んだのですが、ぼくのこれまでの読書に対する認識、考え方といったものが甘かったということがよくわかりました……もっと早く読んでおけばよかった、というのが率直な感想です。
読書

汗牛足vol.1 僕の読書に役立っている三冊

月一度、僕の読書活動の一環として本の紹介をする「汗牛足」(かんぎゅうそく)を発行します。基本的に長文になるので、読み方としては時間を取って読むか軽く流すかのどちらかになると思います。僕としては読む人にとってある程度参考になるものを書こうと努力するつもりです。形式的には複数の方に送信する一種のメールマガジンと思っていただけるといいです。どうぞよろしくお願いします。