読書 汗牛足vol.12 99.9%は仮説。残りは?―分かりません。 竹内薫『99.9%は仮説』著者は割にテレビに出たりしているので知っている方もいるかもしれません。読みやすい文体でササッと読めるのでわざわざ買うほどの本でもない……なんて言うと怒られるかもしれませんが、とりあえずぼくが共感した箇所と、ホウ、そんな考え方があるのかと思った点に絞って紹介します。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.11 366日、トルストイ三昧。 トルストイ作『文読む月日』英語では‟A Calendar of Wisdom” などと訳されるこの本、「1日を1章とし、一年366日、古今東西の聖賢の名言を、日々の心の糧となるよう、結集・結晶させた、一大「アンソロジー」」という裏表紙の売り文句に惹かれてしまいました。500ページ超の文庫で3冊もの分量ですが、新年を迎えたことだし毎日ちびちび読んでいこう、と画策しております。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.10 ビッグデータと人工知能 西垣通『ビッグデータと人工知能』最近「シンギュラリティ」という言葉を聞いて、へえ、そんな考えもあるのかと思って手に取ったのがこの本です。人工知能やIT関連の分野には疎いので読みがあまいかもしれませんが、割に冷静に書かれたいい本ではないかと思っています。まずはタイトルに入っている「ビックデータ」と「人工知能」の二つの言葉が本書でどのように扱われているかざっと見てみます。ビックデータというのは文字通り膨大なデータですが、それに加えて内容や形式が多様であることや、高速でとめどなく生成されることが特徴として挙げられています。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.9 読んでいない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』著者は精神分析家なので、読書という行為の解釈も、多分に精神分析学が反映されていることをはじめに断っておきます。精神分析というのはかのジークムント・フロイトによって創始され、れっきとした一つの学問分野となっていますが、ぼくはかなりうさんくさいと勝手に決めつけています。しかし無意識の深層から説明するその手法はかなり魅力的で、おもしろいことは確かです。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.8 失敗の本質 戸部良一 他五名『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』アジア・太平洋戦争(大東亜戦争)について、あのような戦争の惨禍を二度と繰り返さない……というのが常套句になって、平和主義からは絶対悪のようなイメージを塗られ、こんなに多くの人々が犠牲になったとか、あるいは勝てる見込みもない戦争をして、なんてバカなことをしていたんだろうという見方が広まっている、という印象を抱いています。それが悪いと言うつもりはないのですが、ぼくが前から疑問なのは、そうやってあの戦争をマイナスのヴェールで包み込んでいる限り、そもそもあの戦争はどのように始められ、どのような経緯を経たかという肝心の点が分からないままではないか、ということです。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.7 二十歳のころ 立花隆(ジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家)の東大ゼミからできた本です。ゼミは、テーマを決めてそれについて調べて、まとめたものを本にしようというシンプルなものだったそうですが、何をテーマにするかで一悶着あって、結局学生の誰もが関われる「二十歳のころ」に落ち着いたそうです。そうしてできたこの本には取材に基づいた70人もの回顧談その他若者へのメッセージが詰まっています。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.6 教養小説のすすめ 教養小説とは何でしょうか。読んだら教養が身につく小説でしょうか、いえいえそうではないんです。ネット上のレヴューなどを眺めていると残念なことに教養小説は読めば教養が身につく小説のことだと、なんともまあご都合のいい解釈をしている人が多くいます。もっとも誤解も無理のないことで、じつはドイツ語で言う“Bildungsroman”の訳語なんですが、訳が悪すぎるんです。いっそのこと「ビルディングスロマン」とダサいカタカナにした方がよかったと思うのですが、あえて訳すなら「(自己)形成小説」とでもするべきでした。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.5 科学リテラシー入門 お久しぶりです。前々回に『科学哲学への招待』という本を紹介しましたが、それからそれに関連するような本をいくつか読んだので、今回はその中から3冊を選んで紹介します。戸田山和久『「科学的思考」のレッスン』日本「市民」に対して、科学リテラシーやクリティカル・シンキングを身につけてもらおうという啓蒙への意気込みが感じられる好著だと思います。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.4 考える/思考するための三冊 前回紹介した『知的トレーニングの技術』の原則1、「考える時間を大切にする」に則って、「考える」「思考する」といったキーワードに関連する3冊を紹介します。刈谷剛彦『知的複眼思考法』本屋で平積みになってるよく売れてる本です。よく売れているといっても(一時的な)ベストセラーではなくロングセラーで、なるほどこれはたしかにいい本だなあと思います。 2024.04.14 読書
読書 汗牛足vol.3 知的振幅を拡張するためのイントロ 前回までに「読書」をテーマとして計6冊の本を紹介しました。そして、今回は違うテーマでいこう、と思っていたのですが、テーマを決めるのがどうも不自由なので、今回はとくに決めずに3冊紹介します。でもまあ強いて言うなれば、「知的振幅を拡張するためのイントロ」といったところでしょうか。つべこべ言わずに本題に入ります。 2024.04.14 読書