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汗牛足B vol.5 『生成AIで世界はこう変わる』今井翔太

汗牛足Bは本の紹介を行う「汗牛足(かんぎゅうそく)」のBusiness版である。純粋なビジネス書に限らず、"社会人として読んでよかった本"くらいの緩い範囲で選書して紹介していきたい。 今回はAI研究で著名な松尾研究室所属の若手研究者によるこ...
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汗牛足B vol.4『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆

汗牛足Bは本の紹介を行う「汗牛足(かんぎゅうそく)」のBusiness版である。純粋なビジネス書に限らず、"社会人として読んでよかった本"くらいの緩い範囲で選書して紹介していきたい。 今回はそのキャッチーなタイトルで品切れが続出したというこ...
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汗牛足B vol.3 『行動経済学が最強の学問である』相良 奈美香

汗牛足Bは本の紹介を行う「汗牛足(かんぎゅうそく)」のBusiness版である。純粋なビジネス書に限らず、"社会人として読んでよかった本"くらいの緩い範囲で選書して紹介していきたい。 今回は「行動経済学の主要理論を初めて体系化した入門書」を...
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漱石の『門』 ―なぜ宗助は座禅に行ったのか。

『門』は難しい小説だと思う。独特の浮遊感があり、夫婦の生活に密着しているはずなのに生活している感じがしない。例えて言えば、生きているはずなのに黄泉の世界で暮らしているような感覚である。主人公か座禅に行く場面があるというので、なぜ座禅に行く気...
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汗牛足B vol.2 『会社を変える分析の力』河本薫

★本書を読んでわかること データ分析とは何か データ分析でビジネスを変革するプロセス 分析プロフェッショナルに必要な資質と心構え ★サマリー データ分析に関する勘違い どれだけデータ収集して数値計算しても、問題解明につながらなければ、データ分析とは呼べない。IT化が進行し、誰もが簡単に分析を実行できるようになった現在において重要なのは、分析を実行する力よりもどんな分析をするか構想する力である。
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山崎元の遺著『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』を読んで

今年(2024年)亡くなった経済評論家・山崎元の最後の著書を読んでみた感想。一言で言うと、意外と底が浅い(失礼!)。東大に入学した息子宛の手紙が元になっているのだから当然なのかもしれないが、結局のところ一個人の処世術の範疇に留まっており、労...
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汗牛足B vol.1 『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』伊藤公一朗

★本書を読んでわかること データ分析によって因果関係を示す代表的な方法とそのメリット・デメリットが整理できる 実際のデータ分析の事例を通じ、どのようにデータから因果関係を示すのかが分かる データ分析の課題や限界についても理解できる ★サマリー なぜデータから因果関係を導くのは難しいのか
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三銃士v.s.モンテ・クリスト伯、どちらの方が面白いか?

アレクサンドル・デュマの『三銃士』と『モンテクリスト伯』を読んで。 どちらもアレクサンドル・デュマ(ペール)の有名作ということで、立て続けに読む。三銃士の方は大変面白く、一気に読んでしまったが、モンテ・クリスト伯は長すぎて途中だれてしまった。 イギリスの作家、サマセット・モームは『読書案内』において、三銃士について次のように記している。
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ツルゲーネフ『父と子』 ロマンチストとニヒリスト

19世紀ロシアの作家、イワン・ツルゲーネフの代表作。「ニヒリスト」という言葉を有名にしたという点でも重要な作品だと聞いていたが、作中の「ニヒリスト」は決して厭世家ではない。作中の青年アルカージイはこう解説している:「ニヒリストというのは、いかなる権威の前にも頭を下げぬ人、いかなる原理も、たとえその原理がひとびとにどんなに尊敬されているものであっても、そのまま信条として受けいれぬ人をいうのです」
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死せる<魂/農奴>をめぐる詐欺師チチコフの遍歴。

N.ゴーゴリ『死せる魂』19世紀ロシアの作家ニコライ・ゴーゴリの代表作。物々しいタイトルと全三巻の分厚さに怖気づいて積ん読状態だったが、読み始めると想像以上の面白さで一気に読んでしまった。 主人公のチチコフは、戸籍上は生きているが実際には亡くなった農奴を買い取り、それを担保に銀行から金を借りてずらかることを画策する。言わば詐欺師なのだが、持ち前の洗練された物腰で人々に巧みに取り入る。死んだ農奴を買うという非常識な行為に対して地主たちが示す困惑・抵抗と、それを説得したりやり込めたりするチチコフの弁舌が見どころ。