エミール・デュルケム『社会学的方法の規準』を読む その1――社会をモノのように扱う
デュルケムの『社会学的方法の規準』(1895年)を読む試みです(第1回/全3回)。
エミール・デュルケム(1858-1917)といえば『自殺論』が有名であるが、中公文庫で買ってまもなく字の大きな新装版が同文庫で出版されたショックで放置したまま、読んでいない。最近自分の中で社会学への関心が俄に高まり、社会学の始祖の一人として著名なデュルケムの方法論的アプローチを示した代表作として本書が読んでみたくなった。読んでからかなり経ってしまい、何が書いてあったか大分忘れてしまったが、社会的な現象をモノのようにして扱う、というテーゼと、犯罪は必要ですらあるという新奇なテーゼ、および、社会を科学的に探究するための方法論的考察への真摯な姿勢が印象に残っている。以下、復習。