古典

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汗牛足vol.23 ロビンソン・クルーソーの無人島は絶海孤島ではなかった?

ロビンソン・クルーソーって無人島で一人でサバイバルした話、という程度の認識しかなかったのですが、今年の夏になって初めて読んで、案外奥が深いと思いました。読んでいるときは少々かったるく、まあこんなものか、と思っていましたが、訳者・増田義郎の解説を読んでびっくり、蒙を啓かれる思いがしました。この小説は単に、絶海の孤島で自助努力した男の物語、あるいは孤独のうちに信仰に芽生えた男の物語にとどまるものではなかった!
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汗牛足vol.21 修道士が告発する大航海時代の暗部

ラス・カサス『インディアス破壊についての簡潔な報告』今回はスペインの修道士の著作を紹介。没後に母国で禁書にされてしまった彼の『報告』とはどのようなものだったのでしょうか。タイトルの「インディアス」というのはスペインが領有していた西インド諸島、南北アメリカ大陸の地域のこと。そこに住む先住民が「インディオ」です。コロンブスがスペイン宮廷の援助を頼りに「インド諸島」に到達し、アメリカを「発見」したのは1492年のことでしたが、スペインはこうした探検事業に続けて征服事業を展開していきます。
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汗牛足vol.20 マキャヴェッリの秀逸な「悪書」

前回のラブレーからは少しだけ時代をさかのぼって、マキャヴェッリの『君主論』を紹介します。存外に読みやすい、そして引き込まれた本です。とくに、あるテーマについて述べようとするとき、まず対象を分類することから始めて、それからそれらを一つずつ、実例を挙げながら検証するという論の進め方には彼の知性を感じずにはいられませんでした。
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汗牛足vol.19 ラブレーが命懸けで出版した禁断の奇書

エラスムス、トマス・モアに続いて、今回はフランソワ・ラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル』を取り上げます!本書は全部で4巻ないし5巻からなる大作です。ジャンルは強いていえば小説。文庫本で結構な分量になります
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汗牛足vol.18 「ユートピア」は「理想郷」ではなかった!?

トマス・モア『ユートピア』「ユートピア」という言葉は、理想郷ともいわれ、普通に用いられている語ですが、実はこの本がもとになっているんですね。実はこの造語にはある意味が込められているのですが、それについて触れる前に、本書の内容をざっと紹介しておきます。『ユートピア』は第一部と第二部の二部構成になっています:第一部は船旅で様々な国々を訪れたヒュトロダエウスという人物と、トマス・モアが友人を介して知り合うところから始まります。
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汗牛足vol.17 おバカの女神さま、バンザイ!

エラスムス『痴愚神礼賛』「痴愚神礼賛」とは、いかめしい感じのタイトルですが、「おバカの女神さま、ばんざい!」という程度の意味です。話の筋は、悪しきざまに思われている「痴愚女神」が、「みなさま」を前に自分で自分を褒めたたえる、というシンプルなもの。痴愚女神いわく、「私は人間どもの恩知らず、というか無関心にはただただ呆れ果てています。万人こぞって私を崇め、私の恩恵を受けていると感じながら、かくも何世紀にもわたって、感謝の弁舌をふるって、痴愚女神を礼賛称揚する人物が一人としていなかったのですから。」
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汗牛足vol.11 366日、トルストイ三昧。

トルストイ作『文読む月日』英語では‟A Calendar of Wisdom” などと訳されるこの本、「1日を1章とし、一年366日、古今東西の聖賢の名言を、日々の心の糧となるよう、結集・結晶させた、一大「アンソロジー」」という裏表紙の売り文句に惹かれてしまいました。500ページ超の文庫で3冊もの分量ですが、新年を迎えたことだし毎日ちびちび読んでいこう、と画策しております。