汗牛足vol.18 「ユートピア」は「理想郷」ではなかった!?
トマス・モア『ユートピア』「ユートピア」という言葉は、理想郷ともいわれ、普通に用いられている語ですが、実はこの本がもとになっているんですね。実はこの造語にはある意味が込められているのですが、それについて触れる前に、本書の内容をざっと紹介しておきます。『ユートピア』は第一部と第二部の二部構成になっています:第一部は船旅で様々な国々を訪れたヒュトロダエウスという人物と、トマス・モアが友人を介して知り合うところから始まります。